バイリンガルの落とし穴(中国広州)
中国広州で暮らしております。広州で暮らしている中国人は大抵広東語、普通語を話すバイリンガルです。お店の売り子さんの募集をみていると白語(広東語)、普通語の両方話せることを条件に書いているお店が目立ちます。地方から出稼ぎにきているワーカーさんは 自分の地方の言葉も当然操れますので、3種類の言葉は楽々と話せるわけです。我々日本語だけしか話さない環境に育った人間とは全く環境が異なります。
しかし沢山の言語を操ることができるがために障害があるのではないかと最近つくづく思います。
公園などでボーッとしていますと 大抵、地元の子供たちがなにやら遊んでいます。当然彼らの言葉は広東語、普通語などが入り混じって聞こえます。時々大きな声でしゃべっている子供がいて、なにか主張しているらしく一生懸命説明しています。そのときの言葉は最初は広東語でしゃべり、あとで普通語をしゃべっている、、、 こんな光景を見たかたは多いのではないでしょうか。この労力はかなりのものです。しかし、一番論理思考が成長する子供の時に言葉の変換作業に時間を費やしてしまっては後々思考回路の発達に大きな影響を与えるのではないかと感じます。
私たちも英語をならっている時に日本語の微妙な表現が英語になく、このために思考時間を割き、時間を失った経験をした方は多いのではないでしょうか。
これは一種類の言葉で生活していた環境では言葉の変換作業など必要がなく、一つの仕事に打ち込めていたものが、”多言語”の環境にいるといちいち言葉の変換を考えなければならなのです。これは深く掘り下げた思考をするときにはかなりの障害があるのではないでしょうか。
バイリンガルが流行のようにもてはやされる時代ですが、ふとこんな落とし穴もあるのではないかと感じるこのごろです。
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