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April 17, 2005

技術(文化)の蓄積

 広州で暮らしています。毎日 、右往左往の仕事を題名のように凸凹、ドタバタ状態でなんとか技術職をこなしているのですが、最近ハタと感じたことがあり、これは仕事を進める上で決定的に致命傷になりかねない事を見つけました。
 この界隈の企業ですと、元々香港に拠点があり、それが拡張してシンセン、トンガン、広州にまで進出するといった形態もかなり見受けられます。このような形態ですと、大抵 香港メンバーが進出の核、または重要なセクションの責任者となります。私の勤めている会社も同様のパターンです。私も技術職としてはや数年を中国でこなしてきましたが、まるでテープレコーダーのように同じことを何回も現地メンバーに教えています。勿論、人材が流動していることもりますが、もっと大きな原因は前例を調べることや、関係した資料を自分で調べ、自分で模索するという文化が現地メンバーにないことに気づきました。
 例えば新しい技術を採用する場合、かなりの量の文献を調べるのが普通です。今ではインターネットがありますのでそのための足がかりを探すのは比較的簡単になりました。しかし、それでも自分の探している内容とマッチするものは簡単にありませんので、その後は実験を組み合わせてどうしたらいいかを探るものです。このような行動は技術職として当然とは思いますが、これが現地メンバーがとても苦手としています。特に香港で教育を受けたメンバーはこのような発想をする人は皆無です。おかげさまでまた一から調べなおし、データの整理、実験の繰り返しをいうことを延々と私がやる羽目になります。
 なぜこうなんだろう??って考えていたのですが、その解らしきものが最近見つかりしました。学校での教え方です。香港系の技術系の学校で技術レポート、論文を書く機会が非常にすくないようです。試験の問題をクリアーすればok!という学校の文化です。私がはるか昔の工業高校で体験したのは、とにかく自分でレポートをまとめるために実験を繰り返し、いろいろな本をあさりながらまとめ、自分で考えるという習慣をひぃひぃいいながら覚えたものですが、このような教育を受けていないことを 香港メンバーとのお酒の席で知りました。
 これを逆手にいうならば 彼らは行き詰ったらだれかが教えてくれる、できなければできないでオワリ。これは、自分で考えないということですからかなりコワイものがあります。もし、ご確認したい人がおられれば現地の技術者に技術レポートと書いてもらうとよくわかります。内容が支離滅裂です。これを見た途端にどうしたらいいものかハタと迷うほどの内容です。
 しかし これをまた教えていくのが私の仕事かな。。 と思いながらまた延々と現地メンバーと一緒に仕事をしています。この私の業務はひとつのライフワークになりつつあります。

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