6.広東人、省外人という考え方。
中国シンセンで生活、仕事をしております。自分なりに”シリーズ”にてテーマを作成、気がついた点を書きとめています。今回はその第6題目として、時々聞く”省外”という言葉について書いてみます。
シンセンの場合はかなりの人口広東省以外からの労働人口が流れ込んできています。この人たちを省外と言うそうです。私も正確にはどの位の比率の省外人がいるかはわかりません。街をあるいていると時々、普通語、広東語のほかに、聞きなれない言葉もよく聞くことがあります。これらの地方に言葉を話せる人は省外なのでしょう。
時々我々は省外(ショウワイ)だから、、、という言葉を聞くのですが、最初はなんのことかわかりませんでした。漢字で書いてもらい、この字をみてようやく意味がわかりました。
なんでわざわざ省外という言葉をつかうのかと考えてみましたが、やはり理由があるようです。街の巷の求人の掲示板をみてその理由の一部がわかりました。これは職探しの現実の厳しさからこのような言葉を使うのではないかと私は思います。
どういうわけか製造工場とおもわれる会社や警備などのの求人には、条件として広東省籍の人であることと書かれたものが目立ちます。飲食店関係の求人にはこのような条件はあまり見られません。つまりシンセンで職を探す場合は広東省出身の人のほうが有利なようです。”手に職”のない人”学歴”のない人は大変です。いざシンセンまではるばる来ても簡単に職はみつからない場合があるようです。
街の路上にある若い男性が歩道にチョークで何かを書いて訴えているのを見たことがあります。ただし、書く量が半端な量ではなく 3cm程度の大きさで1字を書き、延々と約3×5mの面積にびっしりと漢字が書かれています。内容は、遠い遠い○○省から、なけなしのお金をはたいて単独でやっとシンセンにきた。辛辛苦苦で仕事を探したがみつからない。もう蓄えがなくなった。どうか今日1日の食事代を助けて欲しい。。。。等等の内容が面々と書かれています。
見たところ容姿も整った顔つきをしており、服も汚れておらず、職はすぐにみつかるようなイメージの人なのですが、なぜ見つからないか疑問に思うほどの人です。もっとも、ここまで文字で訴えていると迫力がありました。
1ヵ月後たまたま同じ場所をとおりましたら、また同じこの男性が同じ作業をしていました。どうもこの人はこのような仕事を見つけたようです。
これは極端な例だとは思いすが、やはり自ら省外と区別するようにいくら経済特区のシンセンとはいえ職探しは簡単ではないようです。
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